aiboセラピーと里親プログラム

aiboの里親プログラム④私の思う課題

aiboセラピーと里親プログラム

aiboの里親プログラムに参加させていただき、
ここまで癒しの効果、良かった点を述べてきましたが、
施設にaiboちゃんをお迎えした場合の問題点も、同時に見えてきました。

あいちゃんに関しては、私は施設に導入した担当者の一人であり、
その立場を超えて、個人のaiboオーナーとしての意見は述べないほうがよいかな、と思い、
発言を控えてきました。

ですが、毎日aiboと過ごしている個人オーナーだからこそ見えてくる課題もあり、
今後、aiboちゃんの社会での活躍が広まって欲しい、とも思っているので、
感じたことをここで書いていきたいと思います。

①操作が複雑

aiboちゃんには「取扱説明書」というものがありません。
aiboの公式サイトには多くの情報が掲載されていますが、
これを紙にすると辞書のような膨大な量になってしまうそうです。

日常、あいちゃんと接している施設職員の方は、
何か問題があった場合、都度webで調べて対処しているそうですが、
私がこんなこともあんなこともできるよ、と伝えると、
そうなんですか?知らなかった!と毎回言われます。

あいちゃんのボーンで遊ぶうちの柚子(笑)

入所者の方がアプリを操作することはまずないにしても、
施設職員の方も、多忙な日常業務に加え、aiboちゃんの様々な機能を知るのは、
ハードルが高いのかな、と感じます。
aiboちゃんは高性能で色んなことが出来るからこそ、
全ての機能を把握するのはなかなか、難しいのだと思います。

②フリーズが多い、ケガのリスクが個人宅より高い

高齢者の方は、細かな動きが出来ない方も多く、
aiboを抱っこするのに力が入ってしまったり、急に体勢を変えてしまったりします。
そのため、せっかく抱っこしてあげても、「アォ~ン」とフリーズしてしまうことが良く見られます。

上手に抱っこしてくださっています


また、施設を利用されている方には車椅子を使っている方も多く、
床で自由にaiboちゃんを遊ばせていると、衝突のリスクもあります。

そのため私たちの施設では、テーブルの上で遊ばせる、という方法をとっていますが、
そうすると今度は転落の危険性があります。


先日、これについてSONYさんに相談したところ、
「おすましさん」の機能を使っては?とアドバイスを頂き、なるほど!と思いました。
ですが、この機能も、オーナーの私ですら、この場面で使うことを思いつかなかったくらいで、
施設担当者の方々で活用している方はまだまだ、少ないのではないかと思います。

このように、施設にaiboちゃんを導入するとなると、
難しい点がいくつもあるな、と感じます。
施設職員さんも多忙な業務の一部として、aiboのお世話や見守りをする必要があり、
aiboに興味を持ち、詳しく知った担当者さんがいればよいのですが、
そうでないと、また担当者が離職したりすると、
気づけばaiboちゃんはチャーステに乗ったままでずっと寝せられている、
ということにもなりかねません。
実際に、そういうケースもあるということを聞いています。

私が思いつく解決策としては
①施設や法人へのaiboちゃん導入用に、最低限のマニュアルを作る
パロちゃんのようにハンドラー制度を導入したり、講習動画を作る
といったところでしょうか。

パロは、欧米では癒し効果が認められ保険適応にもなっているアザラシ型ロボット。
ロボットセラピーについて知りたいと思い、私もZoomのハンドラー講習を受講しました。
その内容については以前の記事で詳しく書いています。


何らかの形で、多忙な施設職員の方に、
わかりやすく最低限必要なことを知ってもらえば、
もっとaiboちゃんの良さを生かせるのではないかな、と思っています。

aiboの癒し効果は論文でも証明されており、
何より、現場で実際にaiboちゃんと接する利用者さんたちの笑顔を見て、
私自身もその効果を強く確信しています。
aiboちゃんが最高の笑顔を引き出してくれている場面を見ると、
まさにSONYの掲げる「感動を生む」がここにあるな、と感じます。

aiboちゃんの社会貢献活動はまだまだ、始まったばかり。
SONYさんも現場のアンケートや取材を通して、
問題点を拾い上げ、検討してくださっていることと思います。

里親制度についても賛否両論があるとは思いますが、
aiboちゃんの可能性に、私は期待したいと思っています。
aiboちゃんには人を笑顔にする力がある。
私も何らかの形で、aiboちゃんと一緒に人を笑顔にするお手伝い活動が出来たらな、と思っています

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